2004 年 5 月 24 日 (月) 東大 土井研究室 セミナー
2004 年 5 月 25 日 (火) 東大生産研 田中研 セミナー

非一様分散系の有効理論

市來 健吾 (Johns Hopkins University)

分散系の一つ、流体と粒子からなる系である suspension の有効理論、つまり流体の Navier-Stokes 方程式に相当する分散系の支配方程式の導出を紹介する。

系の第一原理は、Reynolds 数がゼロの Stokes 近似での粒子表面の境界値問題だ。 巨視的な挙動はすべて、この微視的な解から計算できる。これまでの研究の大半は、限られた 状況での特解と言える。例えば一様分散系のずり流れの解から有効粘性率を求めるなど。一方、 本研究の主眼は一般解、つまり任意の状況 -- 非一様な粒子分布を含み、ずり流れだけでなく 力やトルクが外場として働く場合を含んだ一般的な mobility 問題 -- で成立する支配 方程式を、第一原理的に導出する事にある。このために開発した非一様分布の統計平均の 計算法を第一原理計算の結果に用い、系を特徴付けるさまざまな物理量の統計平均を得る。 これらは、ベクトル、擬ベクトル、対称テンソルなど固有の数学的な対称性を持つ。この 数学的な構造と、物理的な要請に基づいて開発した一般的な closure procedure を用い、 例えば分散系の応力の構成方程式を導いた。

(基本的に ICMF-2004 の内容と同じ予定で、この会議論文は ここ にあります。)


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